物語のおわりの読書感想

物語のおわり  湊かなえ


あらすじ

病の宣告、就職内定後の不安、子供の反発・・・様々な悩みを抱え彼らは北海道へひとり旅をする。その旅の途中で手渡された紙の束、それは「空の彼方」という結末の書かれていない小説だっだ。そして本当の結末とは。

                          背表紙から引用



同じ本を読んでも受ける感想は人によって違います。

この小説は、そこにスポットを当ててあります。


この短編が「未完結」というのがなるほど良く作られてるなって思いました。

完結した物語からもさまざまな感想は持てますが、未完結なら感想だけでなく続きに思いをはせる事が出来ます。

物語に出てくる人達は続きを考える時に今の自分を重ねて考えます。

結果、自分自身の本当の願いや気持ちに気づいていきます。


後悔、後に悔やむと書いて後悔。

私も私の後悔は何だったか、今どんな選択をしたら未来で後悔しないのかななんて想いにふけりました。


作者の湊かなえさんの魅力の1つは文体の使い分けだと思います。老若男女様々なな視点からの文体が違っていてそれがとても自然なので小説の中のそれぞれの登場人物の世界に入り込めました。


描写もとても分かりやすく、昭和中頃や北海道に居るような気持ちになりました。


⭐️⭐️⭐️☆☆

ヒューマンドラマ

推定対象年齢20歳から35歳くらい?

続きが気になって次々とめくる、止まらなくなるタイプではなく読みたい時に読みたいだけ読めるタイプだと感じました。